2000円前後で見られる作品ではない。
昔から学校の授業で「平和学習」という名目で、よく原爆投下時の動画や当時の現場の写真など見せられませんでしたか?
当時の惨状を風化させず、2度とこんなことが起きないようにするために語り継いでいかなければいけないと言われても、どれだけ酷かったのか経験したことがないから想像できないですよね。
でも、この作品で捉え方が180°変わりました。
今年のアカデミー賞受賞作品『オッペンハイマー』。
日本で公開するか否かが協議されるほど、原子爆弾がどれだけ凄い発明であったかを描いた作品で、後に「原爆の父」と呼ばれた「ロバート・オッペンハイマー」の伝記でもあります。
率直な感想をご紹介していきます。
あらすじ
第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。
しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。
https://eiga.com/movie/99887/
こちらが簡単なあらすじになります。
続いて、おすすめポイントを紹介しますね。
『オッペンハイマー』のおすすめポイント①:オッペンハイマーの葛藤の物語
この映画は、「ロバート・オッペンハイマー」の葛藤の物語だと受け取りました。
"オッペンハイマー"シンプルに描く事も出来そうなものを、時代を行き来しながら、一瞬も目を離せない展開、だからこそ見えて来る、社会の有り様の中で、容赦ない政治権力の変化に翻弄される科学者オッペンハイマーの悲哀、核兵器製造云々より、国家、政治の存在意義を問う秀作になっていた。好きだな。 pic.twitter.com/mlYX2x5fRh
— 映画館の住職 (@clair_osi) March 31, 2024
人間性に問題はありつつも、純粋に物理学を愛していて、生徒のみならず世界の学者に認められるほどの頭脳を持つオッペンハイマー。
当時は、ドイツやソ連相手に緊迫した状態が続いており、いかに軍事開発で出し抜くかが鍵となる政治情勢でした。
そんな中、物理学を兵器に応用して核兵器を作るプロジェクト「マンハッタン計画」にオッペンハイマーは参加することになります。
1発の大虐殺で死傷者を最小限に抑えることができると言う「ある意味の正義」と、オッペンハイマーが主張する「核兵器を抑止力」にするべきだという双方の主張の間で揺れる彼を繊細に描いたのがこの作品です。
『オッペンハイマー』のおすすめポイント②:天才の目から見える世界の描写が凄すぎる
オッペンハイマーが見ている世界の描写が凄すぎました。
粒子レベルの世界の動きを映像でみると思っていなかったので、恐らくIMAXだとより迫力のある映画体験になると思います。
普段認識できない領域ではこんなことが起こっているのかなと思うと、体の芯が凍る感じがしました。
『オッペンハイマー』のおすすめポイント③:終始ハラハラする
本当に最初から最後までずっと神経を減らします。笑
『オッペンハイマー』の監督は、『テネット』や『メメント』などを作ったことで有名な「クリストファー・ノーラン」という方で、時系列を操る達人として映画界では知られています。
『オッペンハイマー』
— レオナ (@ClockworkReona) March 25, 2024
クリストファー・ノーランの隙のない作りに困惑しつつも、群像劇として面白さを堪能した。複数の時系列を考察して描く“プロメテウス”の物語は誰が見ても完成度が高い。
盛り上がり的な要素で肩透かしを食らったが“音”の演出は怖い。オッピーが見る世界の“色”の使い分けも印象的。 pic.twitter.com/Hrb4kTkyaS
今回も、オッペンハイマーが聴聞会に出頭し、自分がした過ちを回想するような構成になっています。
物語の緩急が本当に上手で、3時間の中弛みしてもおかしくない上映時間なのに一切緊張が解けません。
『オッペンハイマー』のおすすめポイント④:今の語彙力では表せない映画
この映画は、日本はもちろん世界の映画史に残すべき作品だと思います。
何が正義で何が悪なのか、オッペンハイマーは世界を救った偉人なのか大量殺戮者なのか
正直今の僕の表現力では、この映画を評価できません。
最後に
今回は、アカデミー賞を受賞した映画『オッペンハイマー』をご紹介しました。
間違いなく賛否両論わかれる作品だと思います。日本人なら確実に。
しかし、見て損はない映画なので、ぜひ映画館で見てみてください。
コメント